なぜ田舎暮らしはやめとけと言われるのか?

 近年は田舎への移住に関心がある人が増えています。
田舎でのんびり暮らしたいと思う人も多いのではないでしょうか。
しかし、田舎暮らしはやめとけという意見も少なくはありません。

このブログでは、田舎暮らしはやめた方が良いと言われる原因を、実際田舎暮らしをしている私の私生活と比較して解説しています。

今、都会の生活をしていて、田舎暮らしが気になっている人はぜひ最後まで読んでください。

田舎暮らしの実態

公共交通機関が少なく移動が不便

   都会と比較すると、公共交通機関が圧倒的に少なくなります。
電車やバスに1本乗り遅れると、1時間から60分は待つことが少なくありません。
そのため車で移動する人がほとんどです。そのため世帯の成人数の数だけ車が必要になっていきます。
普通運転免許がない人は移住の前に免許を取得しておいた方が懸命です。移住先の土地勘のない状態で免許取得は土地勘がなく正直おすすめできません。また、家から教習所までの移動などに苦労しますので、できるだけ慣れた環境で免許を取得しておくと精神的にも楽です。

 私が住む市町村では『デマンドワゴン』といった地域公共交通があり、利用者の事前予約に応じて運行経路や運行時間を設定して乗り合いで運行する会員登録制の地域公共交通があります。一般的な路線バスと違い、決まった時間・決まった経路で運行をせず、利用者からの予約を受けてから運行経路と時間が決定されるサービスがあります。移住先の候補にこのような公共サービスがあるか、事前に調べておくと不安材料が減ると思います。

就職先の選択肢が限られる

   田舎は仕事がないわけではありませんが、都会ほど選択肢があるわけではありません。大手企業・公的中枢機関の仕事を希望される場合は難しいでしょう。しかし、リモートワークやネットビジネスなど、ネット環境が整っている環境であればどこでもできる仕事なら、思い描いているスローライフを楽しめると思います。よほどの山奥でなければインターネットの環境が整っていない・・ということはありません。

娯楽施設が少ない

   田舎は都会にくらべ娯楽施設は少なく、遊ぶ場所が限られてしまいます。テーマパークや近代的な遊びをしたい人にとっては、不憫さを感じるでしょうが、都会ほど選択肢が多くないだでけ全くないわけではありません。生活のなかで何に重点をおくかがポイントになると思います。

小動物や虫が多い

 田舎は自然豊かな環境です。なので、虫や小動物はたくさん生息し私たち人間と共存しています。
雨が降れば道路にはカエルがたくさんでてきます。家に明かりが灯れば虫が集まり、その虫を捕食する昆虫や小動物が集まってきます。虫が多いので苦手な方には辛い環境となってしまいますが、こどもにとっては好奇心をくすぐられる環境です。虫や昆虫を捕まえてきたときの嬉しそうな表情は、親としてかけがえのないものを感じます。
 自然の中で遊ぶことは、子供たちに多くの良い影響を与えます。自然の美しさや不思議さに触れることで、好奇心や探究心が育まれ、遊びや活動を通じて運動能力が発達しストレス解消にも役立ち、こどもたちの成長に良い影響を与えます。

近所付き合いが密接

   田舎は昔からの風習を大切にしている行事などが都会に比べれば多いです。そのため、地域の集まりや行事で人間関係が濃くなります。人との関わりが面倒と思う人にはおすすめできませんが、思い描かれているような非常識なことは起こったことがありません。非常識な方は田舎だろうが都会だろうがいるところにはいますので、偏った情報に惑わされないようにしてください。
 私の周りのご近所さんも地域の方とのコミュニケーションを最低限で済ませている方が大勢いらっしゃいます。『田舎だからプライベートスペースに土足で入ってくる』っていう人はレアだと思いますが、都会より距離感は近いのは事実だと思います。
 また、地域行事などの参加などの協調性を求められ、高齢化が進む地域では、若い方は地区の役員などお願いをされることはありますので、都会の暮らしのようにお隣に誰が住んでいるのか分からなくて地域コミュニティを煩わしく感じる方にはおすすめできません。

良い意味で忙しくなり、のんびりできないことも

 田舎暮らしはのんびりできるというイメージがありますが、案外忙しくなる人もいらっしゃいます。雪の多い地域では、雪かきも大変な作業のひとつですし、冬以外は庭や家庭菜園の雑草対策など、家や庭の手入れの時間が発生します。
 これらの作業も含めて楽しめる人ならさほど問題にはならないでしょう。

収入と収支のバランスが予想と違った

 基本的に田舎暮らしは都会に比べると生活費が減る傾向にあります。
しかし、収入が減ってしまって生活が厳しくなってしまうケースもあります。移住など生活環境が変わると予想とは違ったイレギュラーなことが起こることがありますので、経済面については細心の注意が必要です。安易に『生活面で支出が減る』というイメージのみで田舎暮らしを決断するのは危険なので注意しましょう。
 ご存知のとおり、公共機関が都会ほど充実していませんおで、車の購入と合わせて毎月支出となる維持費が負担になるケースがあります。
 このように、田舎での暮らしでは、都会ではかからなかった思い描けない支出が発生する可能性が高いため、事前に綿密なリサーチと収支計画がとても重要になります。

中古物件はメンテナンスがある!

 空き家を利用して移住した場合、家のメンテナンスが必ず発生します。
住んでいるうちに不具合が見つかり、手直しすることもあります。
家の修繕はお金も時間もかかることを認識し、リメイクも田舎暮らしの醍醐味と思えるようにマインドセットしておくと良いでしょう。
 また、自治体が行っている移住者向けの補助金を上手に利用することも大切なことなので事前にしっかり調べておきましょう。

田舎暮らしのデメリットを承知のうえ移住する人が多い理由

自然豊かな環境でのびのび暮らせる

 今の時代、インターネットの環境があれば田舎でもある程度の娯楽を楽しむこともできますし、買い物もインターネットを上手に利用することで、都会とさほど変わらない生活をおくることができます。
 目の前にある豊かな自然と触れ合えるのは田舎だけの特権です。コロナの影響もあり、自然の素晴らしさが改めて認識されるようになりました。その結果生活の質を求められる方が多くなったことで、働き方も一変し、田舎への移住に関心がもたれるようになりました。
 ライフスタイルがインドアからアウトドアへ向けられるようになったことで、休日に山登りやキャンプ、スキーやサーフィンなど、アウトドアをライフスタイルに取り入れ楽しみたい人には都会での生活から離れ自然豊かな環境で暮らすことをおすすめします。 

ストレスからの解放

 都会での生活は、騒がしいことや世話しない日常から、知らないうちにストレスを抱えてしまっている人が多くいらっしゃいます。
 田舎暮らしの静かな生活は、そんなストレスから解放してくれます。都会での生活でこころと身体が消耗していると感じている人こそ、田舎暮らしの恩恵を受けら実感されるはずです。
ただし、これだけは理解しておいて下さい。移住に成功した人は、ストレスフリーで楽しく暮らしていると思えるかと思いますが、そんなことは決してありません。
『都会のようなストレスは減る』程度にしておいてください。多少なりともストレスを受けている状態だからこそ、自然の恩恵を豊かさとして感じられるのではないでしょうか。

 新しい人間関係が築ける

 田舎では『人間関係が一番大変だといっても過言ではない』と言われます。
しかし、新しい自分と新しい人に出会えます。都会の生活で孤独感を感じている人は、田舎の人間関係に救われること間違いありません。
 自分から積極的に動くことで、地元の人とも良好な関係を築いていけますので、苦手意識を持たずコミュニティーに参加していくことが田舎暮らしの成功への近道といえます。
 また、自分が思っているほど人は気難しくありませんし、案外、シンプルな生き物だと思っていた方が充実した田舎暮らしを過ごせると思います。

田舎暮らしを成功させるポイント

 田舎暮らしを考えた時点で『何のために移住するのか?』目的はある程度明確になっていると思います。移住先でやりたくないことを明確にしておくことが移住先の選定に役立つかと思います。
 そして、やりたくないことをやらずに済むような環境を選択することが、結果的に満足な田舎暮らしを手に入れることができるのではないでしょうか。
 自然にどっぷり浸って、農業を楽しみながら自給自足に近い生活や、利便性の良い生活環境から少し離れたくらいに自然豊かな環境にアクセスしやすいハイブリットな田舎暮らしも、自分に合った田舎暮らしを探してみてはいかがでしょうか。
 地方都市と呼ばれるような地域なら、田舎と都会の兼ね備えた良さを楽しめますし、都会とさほど変わらないライフスタイルのまま、都会にはない自然を堪能できますので、候補となった移住先でどんな人生を送りたいのかをしっかり考えておくことが大切だと思います。

季節ごとの移住地の環境を知っておく

 田舎暮らしに憧れ、候補となる地域が見つかったら、実際に移住体験をしてみることをおすすめします。
 実際に足を運び衣食住をしてみると、どんな場所なのかを知れますし、リアルな住民からの声も聞くことができます。良いことも不憫なことも客観的に聞き、広い視野で見て住みやすいのかどうかをリサーチしてみましょう。物件付きで移住体験をしている自治体もありますのでぜひ活用してみましょう。

先輩や自治体に不安なことは相談をする

 すでに移住した人の体験を知るのも有効ですが、実際に生活をされているお宅や環境を見せて頂くとイメージしやすいでしょう。
 自治体のホームページなどで、実際に移住した人の声が紹介されていることもありますが、それはPRを含んでいますので、参考までにし自分の目で見て判断することが望ましいです。
 『勧められて決断したことと自分で見て決断したこと』では、何かあった際に気持ちの面で大きな違いがあります。そして、説明会やセミナーを開催している自治体もあるので、分からないことや不安に思っていることは積極的に相談し納得したうえで決断しましょう。

経済的自立はマスト

 田舎暮らしに憧れ直面する壁は経済的自立です。
憧れだけでは生活をしていけないことは重々承知されているはずです。お子様がいらっしゃる働き世代の方は、仕事を確保し安定した経済力を備えることがとても重要です。
 リモートワークなど場所にとらわれない仕事ができるようにして、経済的不安定にならないようにすることも大切です。できることなら、移住する前に職に就いていることが理想です。経済的に余裕があるケースは除き、移住してから探す・・・といったことにならない方が良いスタートがきれるのではないでしょうか。
 移住者向けの就職支援をしている自治体もありますし、Uターン・Iターン向けの求人が検索できるサイトもたくさんあります。どのような仕事があるのか前もってリサーチしておくのも有効です。

まずは地方都市から

 田舎になればなるほど人間関係が濃くなる傾向があります。少しでも不安があるのであれば、地方都市などの田舎度合いが高くない地域を選定することをおすすめします。
 都会よりは自然が豊かで、田舎よりは便利性の良い生活ができる環境で、まずは慣らすことからはじめるのも面白いでしょう。

ビジョンは具体的に共有

 家族で移住する場合は、家族の意見もしっかり取り入れて大切にしましょう。
自分の理想を押し付けるのではなく、パートナーへの配慮とお子様がいる場合は、家から学校までの距離や習い事など教育環境も考慮したいところです。
 意思の疎通や情報共有がしっかりできていないまま移住に踏み切ってしまうと、残念な結果になることも想定されます。家族全員が納得したうえで進めていきたいですね。

まとめ

 近年、田舎での生活に苦労することは減っている傾向があります。
道路や通信環境の整備が進んでいることや、テクノロジーの普及によりリモートワークが可能になったことが起因しています。
 また、地方創生により地域コミュニティが活気づき、地域経済を支えていることも挙げられます。
そのため、田舎での生活は以前よりも快適になっていることで、移住者の増加につながっています。
 移住の際に懸念されている人間関係については、田舎も都会も人間関係のトラブルは度合いに違いがあったとしても注意が必要です。
 このように田舎への移住は一長一短がありますが、それでも移住への関心が高まっているのは、経済的豊かさを求めていた人々が、こころの豊かさを求められた結果が表れているのではないでしょうか。
 また、田舎暮らしのデメリットをしっかり理解し、移住者の許容範囲の中で自分たちらしい田舎暮らしを実現している様子がSNSやメディアなどで情報発信されている結果が、田舎への移住者の増加として深く関係しているのではないかと個人的には感じております。

 最後に、田舎の素晴らしさを多くの方に知っていただき、移住しても、しなくても自分に合った遊び場となる田舎を見つけだしてください。
 そして、自然豊かな環境で過ごしていただき、こころと身体を養い、日常生活の糧となっていただきたく思っています。

どうぞ、田舎を。

豊かな自然を堪能してください。

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